「NAUTILUS」
「・・・キャプテンは・・MUTA・・自由に羽ばたいてるよ・・・俺・は・・魚雷・・・みたいな・・・ノーチラス?・・・俺も・・よくわかんないんだよ・・・・・」(CQ)
これは深海から突如現れたノーチラス号から届いた1通目のレポート。
それ以外の情報はまだない。と、言えどもHIP HOPに取り憑かれたジャンキーならタイトルだけで、すでにレーダーはビンビンに反応済みのはず。
そう今作はあのクラシック中のクラシックビートをサンプリングした曲を全編に渡ってミックスした、まるで深海の闇のようにまっ黒な代物だ。
これまでに数多く生み出されてきた『NAUTILUS』をネタにしたUS産クラシックに加え、自らの役割を魚雷と言う“赤目の達磨のオジキ”こと、言わずと知れたILLMATIC BUDDHA MC'S/キエるマキュウのCQを筆頭に、水戸のレジェンドLunch Time SpeaxからTAD'sA.C.、わかってるヤツはもうとっくにそのヤバさに気づいてる北の刺客ELIAS、さらにはO2 a.k.a.下町のナポレオンという、曲者だらけの濃密ジャポンな乗組員たち(どうやら乗組員はまだ他にもいるらしいが...)が録り下ろした予測不可能な荒波を、キャプテンMUTAが見事な舵を取りまとめ上げている。
一体ノーチラスとは何なのか?その全貌はまだほとんど伺い知ることはできないが、今作はあくまで物語のはじまりであって旅は続くようだ。
味方なのか敵なのかそれさえもわからない現時点で言えることは警告だ。
今夏、海に近づく際はくれぐれも注意せよ。ジャケの金髪美女みたいに喰われ始めてから後悔したって、もう遅いから。
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